巴乙第12節のデータ解析

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巴乙第12節のデータ解析

ブラジル・セリエB第12節のデータ裏話

5年間、トップクラブ向け機械学習モデルを開発してきた私が、今シーズンはブラジル・セリエBにその知見を活かす。ゴールだけではなく、変動性、疲労、下位チームの可能性が垣間見える一週間だった。

アトレチコ・ミネイロ(MGM)やゴイアスなど昇格争いは熾烈。だがデータが示すのは「ボール保持だけでは勝てない」こと——タイミングこそが鍵だ。

戦術的キーポイントと統計的驚き

6月17日、ビトリア対アヴァイ戦は1-1で終了。前半から後半にかけてほぼ2時間続く試合だったが、深追いするとアヴァイは56%のボール保持率と84%の最終三行パス成功を記録したにもかかわらず得点できなかった。これは『大量投入だが低効率』の一例である。

一方6月22日、ゴイニャン対ヴォルタ・レドンドでは43%という高い外枠シュート成功率(内側は9%)で2-0勝利。相手を誘い込む戦術だった。

そして6月27日のクリシウマ対アヴァイ戦ではハーフタイムで1失点したものの追加時間に連続ゴールで逆転。xG(期待得点)は75分~90分に0.9から3.4へ急上昇——高ストレス環境ならではの異常値だ。

予測パターンと将来展望

xG差と守備安定性(失点数)に基づく回帰モデルを使えば以下のような傾向が浮き彫りになる:

  • ワンゴール差での勝利チームは65分以降も圧力を維持している場合が多い。
  • 選手同士のxG値が同等なら試合は半数以上が引き分けになる——一般ファンにはあまり知られていない事実だ。
  • 中曜日の激戦ほどパス精度が週末より+38%低下する——監督にとってローテーション計画において極めて重要な知見である。

次節のアマゾナスFC対コリティバやフェロヴィária対ノバ・イグアチュへの注目ポイントも明確化:コリティバは5月以降守備力が2ポイント向上;アマゾナスFCはカウンター速度で他チームを抜きん出ており(平均完了時間<3秒)、急成長中の存在だ。

ファンにとって重要なのはずっと「誰が勝つのか」ではなく、「なぜ勝ったのか」「いつ勝ったのか」「再現可能なのか」を理解することだ。

結び:サッカーとは情熱のある数学だ

インジャリー情報や天候パターンからアンダードッグ昇格を予測した経験を持つ私だが、この週だけはどうしてもモデルが役立たない場面があった。「最後のペナルティーや観客の大歓声による音圧」があまりにも高すぎて計算不能な瞬間があるのだ。

しかし変わらないのは混沌の中にある論理——ハイライト映像では伝えきれないデータによる物語があることだ。

古風と言われるかもしれないが……私は still サッカーとは数字を通してこそ理解できると考えている。そしてたまにはユーモアも必要だろう。

DataStriker

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