ボルタ・レドンダ対アヴァイ戦術分析
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ブラジルセリエBでのスタイル対決
ボルタ・レドンダがホームでアヴァイを迎えた第12節は、異なるサッカースタイルがぶつかり合い1-1で決着した典型例でした。データ分析歴10年の筆者が、この試合が単なる中位争い以上の意味を持っていた理由を解説します。
対戦チーム概要 1976年創設のボルタ・レドンダ(愛称「スチールトリコロール」)はリオデジャネイロの工業地帯を代表するチーム。労働者階級のルーツを反映したフィジカルなスタイルで、今季セリエBでセットプレーからの失点最少記録(Optaデータ)。一方1923年創設のアヴァイはフロリアノーポリスの海岸沿いの雰囲気を持ち、58%の平均ポゼッション率はリーグ3位です。
試合分析 統計データが興味深い物語を伝えます:
- ポゼッション:AVA 62% - 38% VOL
- 枠内シュート:VOL 5 - 4 AVA
- xG:VOL 1.2 - 0.9 AVA
ボルタのコンパクトな4-4-2がアヴァイのポゼッションサッカーを阻み、ダブルピボットMFが合計12回のインターセプトを記録。63分、ボルタのターゲットマンが珍しいディフェンスミスにつけ込み先制点。
アヴァイは78分、23パス続くチーム連携プレーからエースナンバー10が同点弾。ポジショナルプレーの見本でした。
今後の展望 ボルタ:実用的なアプローチは技術派チームに有効だが、低ブロック突破に創造性不足。xG未達成(シーズン計-3.1)が課題。
アヴァイ:試合支配だけでは不十分。ポゼッションを決定機に変える力とカウンター対策(失点42%がカウンター)が必要です。
中立ファンには単なる引き分けでも、戦術通には明確なゲームプランを実行する2チームが見えました。この結果で両チームともプレーオフ圏内に留まり、シーズン後半がさらに面白くなりそうです。
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